Disease
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はじめに
咳って、何でしょうね? 発熱等と同様、皆さんを悩ませる咳について考えてみましょう。
医学用語で勿体ぶって言えば
★:乾いた咳:を【乾性咳嗽】
★:湿った咳:を【湿性咳嗽】俗にいう「痰がからむ」と言います。
多くの場合、乾いた咳は上気道(咽頭や喉頭)の炎症、湿った咳は下気道(気管支や肺)の炎症と考えて良いと思います。もちろん炎症だけではありませんが、咳の出る病気と書くと煩雑になるので、ここでは炎症のみを考えましょう。
咳の知識1(一般的)
【乾性咳嗽】を伴う上気道炎(いわゆる感冒)でも、鼻水が多くなると喉のほうに垂れてきて、湿った咳のように発作的な咳が出ることもよくありますが、これは肺の音がゼロゼロしていません。
最近は止まりにくい咳の感冒が流行し、一晩中眠れないで、大変な思いをすることもあるようです。
そんな時の多くはいわゆる痰のからんだ咳なのです。痰を出す為の反射として咳をしているのですから、痰が多いのに、咳を無理やり止めてしまったらどうなるでしょう?
出なくなった痰が気道に貯留し、気道が狭くなり、よけいに呼吸が苦しくなるかもしれませんね。
咳も熱と同じように、生体を守るための反応でもあることを覚えておいてください。
咳の状態によっては、時期が来るまで、多少我慢することも必要です。人間は忍耐と我慢も時と場合によっては必要です。
しかし、特に、小さいお子様は、
おとなとは違って痰を出すことが上図ではありません。充分な水分を補うよう心がけましょう。
小さいお子様の咳が続いていたら唇が紫になっているか否かを必ず見てください。 紫=すぐにお医者さんへ!!!
対処
空気が乾燥しすぎないように注意し、咳の発作には冷たい水を飲ませたり、空気を入れ換えたりすることも有効な場合があることを、覚えておきましょう。
咳の知識2(喘息)
咳が続くと、【喘息】という言葉を連想される方が多いと思います。咳が続くと「自分は喘息になったのでしょうか?」と受診時に聞かれることもあります。
それでは喘息というのは、どういう病気なのでしょう?
簡単には 空気の通り道の気管支が、(多くの原因はアレルギー性の炎症によって)狭くなり、空気の出入りがしにくくなる病気です。
咳や痰も出ますが、主な症状は、ゼーゼーするとか息が苦しくなることです。咳が続いても、呼吸が苦しくなけれは、喘息の可能性はあまりないと考えます。
再び 勿体ぶって言えば、喘鳴(ぜんめい)を伴った呼吸困難と言います。
咳の知識3(咳を止める)
咳止めについてを記載しましょう。咳を止めるには大きくはふたつの方法があります。
ひとつは脳に働いて咳を止める方法(中枢性の鎮咳剤を用いる) もうひとつの方法は
気管支等の末梢器官に作用して咳を止める(末梢性鎮咳剤を用いる) のふたつです。
これらの中枢性や末梢性の鎮咳剤は普通の咳止めとして処方され、市販の風邪薬にも含まれています。
しかし喘息の発作の最中に中枢性鎮咳剤を使用しないほうが良いことは、意外にも知られていません。
喘息で咳が出るのに、どうして使わないのでしょう? それは喘息発作の時に使うと、咳は止まったが痰を喀出しにくくなり、気管支の内腔が余計に狭くなりもっと苦しくなってしまう事もあるからです。
咳がひどい時には充分な水分を補給するように言われます。 理由は、
体の水分が不足しがち=痰の水分も減って固くなる=出しにくくなる。=肺がごみ箱になる。なんです。
充分な水分を摂取し、痰を柔らかくして出しやすくする努力が一番重要に思います。
咳は状況によっては、止めてはいけないものもあるのです。
中枢性の薬剤は脳に働き、末梢性の薬剤は気管支に働いて咳を止めるものです。分類すると
普通の風邪には中枢性、気管支炎には末梢性のせき止めを使います。症状で見ると、【乾いた咳には中枢作用性薬】【湿った咳には末梢作用性薬】が使われると覚えていても良いでしょう。これらのさじ加減が私らの仕事でもあります。一緒に処方することもあります。
湿った咳で痰がからんでいる場合、生体の防御反応として咳が出ているのです。痰が出なければ気道の閉塞が強まり、状態が悪化することもあります。つまり咳は痰を排泄して、気道の状態をよくするための反応と考えてみてください。
薬の種類によっては危険な場合もあるため、咳が止まらないと言って薬を乱用することは慎んだほうが良さそうです。実際に肺炎や喘息で気道分泌物が続く場合には、なかなか咳が止まらないこともあります。
咳の意味を理解して、薬は決められたとおりに服用、もしくは咳は呼吸している証拠なんだ。!!くらいに考えて対処することが大切だと存じます。
それでも止まらない咳
それでも止まらない咳という病態もあります。 先生・・何とか咳を止めて下さい。 苦しいんです。と皆さんおっしゃいます。 咳は止めたら呼吸も止まるよの冗談が通じればいいんですけどね
ちなみに空気が乾燥している時期、医師吉利は、少し咳がではじめたら
電子レンジで蒸しタオルを作り、それを顔に当てて深呼吸します。 止まります。
それでもダメなら? 浅草の弘福寺のお堂に祀られてる。風外禅師(ふうがいぜんじ)
が彫ったという咳の爺婆にお参りに行く予定です。
文責:吉利 彰洋
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